睡眠時無呼吸症候群

こんなお悩みありませんか?

  • いびきをかく
  • 睡眠中に呼吸が止まる
  • 夜間に何度もトイレに行く
  • あぶら汗をかいて目がさめる
  • 寝ても疲れがとれない
  • 日中に強い眠気に襲われる

睡眠不足がもたらす悪影響

病気のリスクが上がる

睡眠中に無呼吸が生じると、睡眠が分断されてしまいます。神経がリラックスモードへシフトしなくなり結果として、高血圧のリスクが高まります。さらに狭心症や心筋梗塞、不整脈や脳卒中、あるいは糖尿病にもなりやすいと言われています。

 

疲労が回復できない

人間が睡眠をとるのは脳と身体の疲労を回復させるためです。しかし良質な睡眠がとれないと、いつまでも疲労感に悩まされます。

 

うつ病のリスクが上がる

睡眠不足の人はうつ病を発症しやすく、またうつ病になると不眠の症状に悩まされるという相互に密接な関係があります。

 

仕事の能率が下がる

十分で質のいい睡眠が取れないと日中の眠気を招き、仕事のパフォーマンスが落ちてしまいます。また、身体への影響だけでなく交通事故の増加など社会的な影響をもたらします。

睡眠時無呼吸症候群について

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、その名の通り睡眠中時に10秒以上呼吸が止まり(あるいは呼吸が浅くなり)、それが原因で日常生活に様々な障害を引き起こす疾患と分類されています。

 

SASの重症度は「AHI(Apnea Hypopnea Index)=無呼吸低呼吸指数」で表し、一晩の睡眠を通して1時間あたりの無呼吸や低呼吸(呼吸が浅くなる状態)の頻度を測定して診断します。AHIが5回/時以上認められ、日中の眠気などの自覚症状がある場合はSASと診断されます。重症度はAHIが5~15回/時で軽症、15~30回/時で中等症、30回/時以上で重症と分類されます。

 

AHI5回/秒以上かつ日中の眠気がある方は日本全国で約200万人に上ると言われており、男性は肥満傾向にある40~60歳代に多く、女性は閉経後に増加します。

 

SASの病態の多くは、空気の通り道(気道)がふさがる、または狭くなることによって起こる「閉塞型睡眠時無呼吸症候群(以下、閉塞型SAS)」です。

閉塞型SASの主な症状

いびきをかく

いびきとは、眠っている最中に狭くなった気道へ空気が通る際、のど(咽頭)が振動して生じる音です。SASでは気道が狭くなっているため、いびきが発生しますが、中にはいびきをかかない方もいます。

 

就寝中の寝汗・寝相・頻尿

閉塞型SASの特徴は、無呼吸の間はいびきが止まり、その後あえぐような激しい呼吸や大きないびきで呼吸が再開することです。これが原因で起床時に口が乾く、鼻やのどの奥が痛むなどの症状がよく見られます。また、寝相が悪かったり寝汗をかいたりもします。利尿ホルモンが作用するため夜中に何度もトイレに起きる夜間頻尿を引き起こします。

 

倦怠感がある、頭が重い

呼吸が止まっている間は、酸欠のような状態になるため、朝起きると頭が重く感じることがあります。休むために睡眠をとるはずなのに、一晩中無酸素運動をしているのと同じような状況が続くため、起床時の倦怠感につながりやすくなります。

 

日中の眠気

閉塞型SASは、無呼吸になる度に脳が覚醒反応を起こすため、睡眠が分断されます。この脳の覚醒のため、本人に起きたという自覚がなくても、無呼吸になるたびに睡眠が浅くなっているのです。たとえ7時間ベッドに入っていても、SASが原因で睡眠が分断されていると、睡眠不足と同じ状態になり日中に眠気が襲ってくるのです。

閉塞性SASの深刻な影響

健康への影響

次のような病気のリスクが高まります。

  • 高血圧:SAS患者は健常人の1.37倍高い(Neito FJ.JAMA2000; 283; 1829-1836)
  • 糖尿病
  • 心不全
  • 虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)
  • 不整脈
  • 夜間心臓突然死:SAS患者は健常人の2.61倍高い(Gami AS.N Engl J Med 2005; 352; 1206-1214)
  • 脳卒中(脳梗塞や脳出血:健常人の3.3倍高い(Yaggi HK et al,N Engl J Med 2005; 353; 2034)
  • 多血症
  • 逆流性食道炎
  • うつや認知症
  • 発育不全

酸欠状態になるSASでは、少ない酸素を全身に巡らせようとするため、心臓や血管に負担がかかります。この状態が長い間続くと、上記のような合併症を引き起こす可能性があります。また、小児のSASでは発育障害が問題となります。睡眠が障害され、睡眠中に分泌される成長ホルモンの分泌が不足する影響だと考えられています。

社会的影響

SASによって引き起こされる日中の眠気が原因で、交通事故・災害事故の危険性が高まります。2003年2月26日、山陽新幹線の運転手が居眠り運転を起こす事例があり、その後の検査によってこの運転手のSASが発覚したことで、社会的な注目を集めました。

また、生活の質(QOL)を調査した結果を見ると、軽症〜中等症のSASでは「活力」が障害されており、重症ではさらにQOLが障害されること、本人だけでなく、ベッドパートナー(一緒に眠る人)のQOLも障害されることが報告されています。(Baldwin CM,et al. Sleep2001:24:96-105、Parish JM,et al. Chest2003:124:942-947)

原因は?

睡眠中の気道が狭くなる原因は以下の通りです。

1. 加齢による筋力の低下

2. 肥満による舌の重さ

3. 形態的問題(顎が後退している、扁桃肥大がある、軟口蓋が長いなど)

4. 鼻づまりや花粉症などで口呼吸による舌の落ち込み

5.飲酒あるいは睡眠導入剤など

健康な人でも仰向けで寝ると、重力の影響で舌や軟口蓋が落ち込んだり筋の緊張が緩んだりして、気道が狭くなります。閉塞型SASの場合は、鼻やのどに異常があると慢性的に気道が狭くなり、時には気道が塞がって呼吸困難になります。

当院の睡眠治療について

治療の流れ

1.問診

眠気を主観的に評価するアンケートにお答えいただき、眠気を点数で評価します。

 

2.診察

睡眠や症状やお悩み、睡眠や生活習慣についてお聞かせいただくとともに症状やお悩みを伺います。

 

3.簡易検査

ご自宅で実施していただく簡易検査キットをお渡し致します。指先、鼻、胸にセンサーを取り付けてお休みいただき、睡眠中の血中酸素濃度、呼吸、いびきの有無、体の向きなどを調べます。

 

4.診断

検査データを当院で解析し、SASの診断と重症度の判定を行います。重度の場合は、睡眠中に気道が塞がらないようにする、CPAP(シーパップ)という装置で治療を開始します。また、無呼吸の可能性が高い方や、周囲から日中の眠気を指摘されている方には、1泊入院で行うPSG検査を実施します(近隣の病院への紹介)。

いびきの予防・治療

いびきを予防・改善したい方には、当院を始め鼻腔に挿入して睡眠中の気道を確保する「ナステント」をご紹介しております。ナステントを購入するためには、当院をはじめ医療機関が発行する指示書が必要ですので、購入をご希望の方はお申し出下さい。

治療後のフォロー

CPAPは適切な使い方をしないと、治療効果が得にくかったり、不快感を伴ったりする場合があります。途中で治療をやめてしまう人も少なくありません。

 

そこで当院では、CPAPを導入した方には月1回のペースで通院していただき、使用方法や圧力の設定を確認しております。また、季節に応じたちょっとしたコツなどをお伝えして、無理なく治療を継続できるようにサポート致します。診察の際はSDカードをお持ちいただきますが、CPAP未対応モデルを装着されている方は不要です。なお、当院では、Philips-RESPIRONICS社製及び、ResMed社製のCPAPに対応しております。

院長からのアドバイス

いびきはSASの重大なサインであり、全身の健康を脅かしかねない問題です。手軽な検査でSASかどうか判断できますので、ご心配な方は一度調べてみることをおすすめします。女性の中には「いびきが恥ずかしくて受診できない」という方が多いと言われていますが、女性は閉経後にSASとなるケースが珍しくありません。一人で悩まずに気軽にご相談下さい。

ご相談はお気軽に

どんな小さな相談も受け付けておりますので、遠慮なくご相談下さい。

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